【営業時間】10時~19時 【定休日】水曜日
遠方の大家さんで、お父様から築40年くらいの古いアパートを相続された方のお話です。建物も古いし、見に行くのにも片道3時間かかるのでほったらかしにしてあったそうです。ある日、アパートの近くに住んでいる親せきから、まったく知らない人から「生活保護の申請を出すので、大家さんの承諾が必要です。ハンコ下さい」と言われたと連絡があったそうです。親せきにアパートを確認してもらうと、明かりがついている・・。急いで警察に連絡したけど「民事事件なので動けません」と言われたそうです。確かに、大家さんからすれば不法占拠者だということで追い出したいでしょうけど、お父様が口約束でも「入居していい」言っていれば、ただ家賃を滞納しているだけの案件になってしまいます。
この物件の場合、特に窓ガラスやドアを割って入ったような様子もなかったので警察も対応できなかったのでしょう。とりあえず、本人に事情を聞いてみると、「知り合いがその部屋に住んでいて、自分も一緒に住み始めたが、知り合いはその後半年くらいで出ていったので、それからは一人で住んでいた。知り合いがどういう経緯でその部屋に住み始めたかは分からない」との事だったので、結局何も分からず仕舞・・。仕方ないので、弁護士に依頼して、裁判して明け渡してもらおうと思い、住んでいる人全員の名前を聞き出そうとして再度アパートに行くと、「もぬけの殻」。「ご迷惑おかけしました」の書置きまであったので、きっと悪い人ではなかったのでしょう・・
後日、大家さんから気味が悪いから何とかしてとの連絡があったので、アパートは解体して、駐車場にしました。
この件では、無事?出て行ってくれたので面倒事になりませんでしたが、住んでいる人がいないうちにカギを換えたり家財道具を持ち出したりする実力行使はしてはダメです。違法行為ですので、逆に損害賠償責任を問われますので気を付けましょう
大家さんがいつものように朝刊を読んでいると、自分のアパートに住んでいる入居者の名前が載っている!!よくある名前だし他人だろうと思っていると、直後に警察から電話があったそうです。この時点で私のところにも電話があり、急いでアパートに向かいました。まずは、事情聴取(昨晩は物音はしなかったか?とか最近の家賃の状況など)次に部屋突入ですが、合鍵は大家さんしか持っていないため、大家さん自ら立ち合い(旦那さんは仕事行っちゃったので奥さんが頑張りました)中には最低限の家財のみが入っていて、それを一点一点警察の人と確認&写真撮りしていきました。ここまでくると私のやることもないので、この後どうするか考えていると(連帯保証人が本人に刺されてるから保証なんてしてくれるはずないなぁ・・)引出しから茶封筒が出てきました。多分、カギだろうなと思って、警官と一緒に確認すると、お金です!!それも10万円も!!同封の手紙を読んでみると、「退去連絡は1ヵ月前予告だからその家賃と迷惑料です」「中の家財の所有権を放棄しますので大家さんの自由に処分してください」とこの2行と署名捺印してありました。所有権放棄の一文と署名捺印があるのと無いのとではこの後の処理の速さが全然違うので正直、「入居者すっごくいい人だ」なんて考えてしまいました。上記の知識を持っていたのか?、わざわざ調べたのか?そうだとしたら、犯罪に走らない方法も調べられたんじゃないか?なんて考えるとちょっと複雑ですね。(入居者の事情とか聞いてくと、やむおえない状態だったのも分かるので・・)
その後は、所有権放棄の書類があるので、司法書士や業者に家財撤去の手続きお願いして、カギの交換を行い無事完了。通常の明け渡し命令の裁判をやるにも、本人がいないとはなかなか進まず、1年以上かかる場合もあります。こういう案件でも、勝手にカギ換えたり、家財撤去は違法ですので絶対だめです。
契約した当初は、女性一人で住んでいましたが、2カ月くらいしてから男性の方と同棲し始めました。若い人なら良くあることだと大家さんも特に気にせずにいたら、半年くらい過ぎてからその同棲相手だけが住んでいるようになりました。家賃も1ヵ月分入金されていない状態の為、借主、連帯保証人に連絡を入れたが電話が通じず(あとで分かりましたが、この同棲相手の暴力から逃げる為、電話番号など変えたそうです)しかたなく、同棲相手に事情を聞きに行くと、「女性(元の借主)と話をするためここに住み続けている。ただ、自分は借主じゃないから家賃を払う義務はない」というとんでもない主張をしてきました。借主本人の免許証のコピーから本籍地が実家じゃないかと思い、その住所地に行くと、借主本人がちょうど在宅でした。事情を聞くと、現在、警察や弁護士に動いてもらってストーカー等の申し立てを行う予定でいるとの事で、アパートのことには関わらないようにしたいとの事。ただ、このままでは大家さんも困るので出ていくまでの家賃を支払う事を約束してきました。それからは家賃も遅れることもなく、1年後に借主本人が来てその同棲相手を追い出したので退去しますと言って円満に退去していったそうです。ここまで話がいってしまうと、大家さんも不動産屋も手も足も出ない状態になってしまうので、同棲し始めたとか、誰かと同居していると分かった時点で入居者に話しかけたほうがいいですね。この場合も、同棲相手は借主じゃないからといって、勝手にカギ交換や家財道具の撤去をすれば違法行為ですのでダメです。
通常ですと、賃貸では大家さんに事前に契約書の説明と署名捺印してもらうのですが、この件では、大家さんが直接見つけたお客さんとの契約の代行をしたため、大家さんと入居予定者に一緒に来てもらいました。世間話も一段落して、さて書類を開きましょうという段階で、なんと、携帯電話をいじり始めました。「まあ、最近の人はメールで調べごとも色々あるだろうと待っていると、「勝手に読んでていいよ。終わったら記名捺印するから声かけて」と言って何かに熱中してます。大家さん曰く、ゲームをやっていたそうです。さすがに、契約内容確認なしで契約させるわけにもいかないので、書類に記入漏れがあったことにして、後日やりなおしということにして、保留にしておきました。
「あの態度では、契約代行できないので大家さん直接契約して下さい」と伝えると、大家さんもあの後不安になったようで、契約をやめることにしたということでした。あとで、「説明を聞いてなかったから契約書の内容は無効だ」なんて言われる可能性もあるので出来るだけ避けたい入居者です。
100円、200円の買い物とは違うのですから、入居者の態度には気を付けましょう。あんまりにもひどい様なら、契約しないほうがいい場合もありますよ
2021年05月26日