「なりすまし地主」はどこにでも存在します
今日、報道されている積水ハウスの土地取引をめぐる地面師グループの主犯格がフィリピンで確保されたというニュースを見て、「そういえば弊社にもそういう人が来たな～」と思い出しました。
年末が近づいてくると、財布が心細くなるのかそういったことを考えやすくなるのかもしれませんね。
あれほど大規模な話ではありませんので、ちょっとしたネタにどうぞ。
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2018年12月19日
弊社にも来ました地面師・・というにはお粗末な、「なりすまし地主」
売主さんとの面談は重要です
通常、「土地を売りたい」という相談を受けますと、まずはご本人様と面談をさせて頂いて色々なお話を聞きながら売却の方向性を決めていきます。
その中で、物件についての質問をしながら不審な点が無いかを判断するのも不動産屋さんの大事な仕事です。
固定資産税はいくらくらい払っているか？なぜ売却するのか？至急お金が必要なのですか？など世間話の中でお聞きしていき、判断します。
権利証と免許証などの本人確認書類を見せてもらうのが一番なのですが、相談の段階では権利証など持ってきてもらえない場合もありますので、話の中での情報収拾が必要になることが多いです。
積水ハウスの事件を見ると、本人確認書類はほとんど偽造だったようなので、書類だけに頼るのも危ないのかもしれませんね。
さて、今回の「なりすまし地主」さんもやはり何の書類も持たずに来店しました。
物件について質問していくとおかしな点が・・
早速、物件のことについていくつか質問をしていくと、おかしな点がちらほら・・固定資産税をいつ払ったかいくら払ったか覚えていないという話。引き落としの方もいるので一概におかしいとは言えませんが、大体の方は５月頃に納付書が来て４回で払っているとかお答えはいただけます。
こちらの質問にはあまり答えず、一方的に
「この物件はいい物件だ」「今お金が必要だから多少安くても売ってもいい」「すぐに買ってほしい」などと話してきます。
今考えると、質問に答えているとボロが出るから、こういった話し方にしていたのかもしれません。
このあたりで、胡散臭く感じたのでご自分の名前と土地の所有者だと分かる書類を提示してもらうようにお願いしました。
出てきたのは折曲がった名刺・・その名前は聞き覚えがあったのである質問をしてみました
その名前に聞き覚えが・・近所の人との世間話が役に立ちました
その名前はある一部の地域ではちょっと有名になってしまった名前なのでピンときて、
「その土地の名義人様はたしか３０前後だと聞いたことがありましたが、お客様は見たところ高齢者。
最近購入されたのですか？」
と聞いてみました。
とたんにしどろもどろになって、ちょっとだけ本当のことを話し出しました。
「この土地は甥っ子の所有ということになっているけど、実質は俺の物だから、
俺が売ると言えば甥っ子も黙って従うから大丈夫だ。」
「相続の時には、た・ま・た・ま甥っ子に相続させただけで実質は俺のものだ」
というなかなか返答に困る主張をしてきました。
所有権に「実質は俺の物」という状態はないのですけど・・
とりあえず、売却の依頼はご本人様か成年後見人などの委任されている方からしか受けられない旨
お話しして帰っていただきました。
東京のプロの地面師と違ってちょっとお粗末で用意周到でもなかったので、
土地の登記簿謄本を取った時点で気付いたと思いますが、無駄な経費や時間を使わないで済みました。
地面師、なりすまし地主にひっからない為に
地面師が狙ってくる不動産は
1.地価が上昇している土地
2.人が周辺に住んでいないような土地
3.抵当権（金融機関の担保）が付いていない土地
だそうです。
全部土地なのは、人が住んでいるとばれる可能性が上がる為。1は高額の詐欺を行うため。2はばれにくくするため。そして3は抵当権が付いていると売却の時に抵当権抹消手続きで金融機関のチェックが入るためです。
これらの物件との取引は注意が必要ですね。
一番の成りすまし対策は
信頼のおける不動産業者、司法書士に頼むことです。弊社ではしっかりと対応していきますので遠慮なくご相談ください。
相場よりもだいぶ安いとか、売り急いでいるといった怪しい物件にはご注意！！
