行方不明者名義の自宅を売却することができますか

お電話でのお問合せ

0282-24-6058

【営業時間】10時~19時 【定休日】水曜日

2018年04月23日

行方不明者名義の自宅を売却することができますか

古屋の所有者の息子さんが行方不明に・・どうしたらいいか不安

古屋の所有者である息子さんが長期間行方不明となっている。所有者の母から空き家になっているのも危ないので、売却・賃貸・建物解体などどうすればいいかという相談です。

事実関係はいったい

息子が競売で購入した物件が空家になっているからなんとかしたいとの相談がありました。依頼してきたのは、遠方に住んでいる母親から。所有者である息子は、7年前に出勤すると言って自宅を出たが、勤務先には出勤しておらず、その後、連絡が取れず行方不明となってしまいました。借金などもなく、トラブルがあるという話もなく、理由が定かでないようです。警察へ家出人として捜索願を届け出たが、未だに行方は分からず、生死も不明であるということでした。
他の兄妹に相談したところ、空き家では放火なども心配なので建物を解体して売却するか賃貸にだしたりするのがいいのではないかという話になっているそうです。

行方不明の方の財産を管理する人を選任

こういった場合には
不在者財産管理人(ふざいしゃざいさんかんりにん)が必要となります。
不在者財産管理人とは、その名のとおり行方不明の人(不在者)の財産を管理する人のことです。

裁判所で弁護士などの利害関係のない方を選任するのですが、ほとんどの場合が弁護士の先生になってもらいます。

失踪宣告を利用した相続手続き

あまりにも長期間不在であることが明らかに分かっている場合は、失踪宣告を利用し不在者の相続人を交えて遺産分割協議をすることもあります。
失踪宣告は、その人の生存が確認された最後の時から7年以上経っている場合に利用でき、失踪宣告がなされるとその人は法的に「死亡したもの」と扱われるため、これらの相続人を遺産分割協議に加えることで先の相続を進めることができます。

今回の件の結論

今回のケースでは行方不明になってから7年が経過していることもあり失踪宣告(普通失踪)を選択して、不在者死亡とみなされ母親に不動産の相続をしてもらいました。なお、戦争、船舶の沈没等の危難に遭遇し、生死が不明の場合は、危難の去った1年後に失踪宣告(特別失踪)をすることができるそうです。
失踪宣告の確定後、財産を相続した母親は、自由に不動産を処分することが可能となり、息子が残したものだからという理由から賃貸で貸し出すこととなりました。

一般的には「不在者財産管理人」の選任による売却の方がスムーズにいきますのでそちらを選択することが多いそうです。

田舎の方ですと相続税もかからないという理由から相続を2代3代に渡って行っていないケースもあり、そうすると、相続予定者が何十人も出てきて、今回のように行方不明者にあたってしまう場合もありますのでお気を付け下さい。

ページの先頭へ