台風で隣の家の屋根が飛んできました。相手に修理代を出してもらえますか?

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2018年09月12日

台風で隣の家の屋根が飛んできました。相手に修理代を出してもらえますか?

台風の後、物件の見回りをしていると駐車場に屋根の破片が散乱

今年は台風の当たり年で栃木市でも強い風が吹いたり、局地的に巻き上げる風が吹いたりしていくつかの物件で被害が出ました。その中で一番被害が大きかったのが今回の物件です。

アパート自体は問題がなかったのですが、駐車場に隣の家の屋根が散乱している状態。もちろんそんな状態でしたから車にも被害がでていました。

周辺の住民にも被害状態を確認すると、瓦屋根が10枚破損している家、エアコンの室外機が故障した家などなど結構な被害状況でした。

修理費を誰が負担するのか、保険会社などに確認してみると

まず、車の破損についてはアパートのオーナー建物の火災保険からは支払いできないそうです。アパートの屋根が飛んで、入居者の車に被害が出ればもちろん保険が支払われますが、今回は隣の家の屋根が車を破損させて、その場所がアパートの駐車場だったという扱いにされてしまうので、隣の家に損害賠償を求めるか、自身の車両保険(自動車保険を安くしていると入っていなかったりするので要注意です)で直すしかありません。自動車保険を使えば、保険の等級が下がりますので翌年の保険料は少し上がります。

自分に責任は無かったことで車に被害が出たのですから、隣の建物の持ち主に修理費用を請求するほうがいいと皆さん考えますよね。

ところが、隣の家から必ず修理費用をもらえるわけではないのです。

大家には「工作物責任」という重い責任が。建物チェックは重要

まず、基本として民法では,土地工作物の設置保存に瑕疵がある場合,占有者や所有者が責任を負うと規定しています。「工作物責任」というもので大家さんにとっては大変重い責任です。
屋根は工作物にあたりますので、その設置状況に瑕疵があれば責任がありますということです。例えば、瓦屋根がぐらついていたり、スレートの屋根材が浮いてきているのに放置していた場合が当てはまります。
古い建物でも、瓦が固定されていない為に強風で瓦が飛んで隣家の建物の損害させて、その賠償を認められたという裁判例もあるようです。

今回はこの例に当てはまるので修理代の請求をだせそうですが、台風の時など大規模の災害では認められない場合もあります。

瑕疵というのは簡単に言えば本来備えるべき安全性を欠いていたということです。強風の程度が強くて近所中の屋根瓦が飛んでいたということなら今回の家だけ瑕疵があったということは言えなくなってしまうのです。

大雑把に言えば、周りの家の屋根は残っているのに、自分の家の屋根だけ飛んでいったような場合は責任があるといったところです。


「うちの建物は保険に入っているから大丈夫」と安心せずに小まめに建物状況のチェックを行う事も大家さんの大切な仕事です。
 
ドローンがあれば簡単にチェック出来そうですし、私も購入しようかと考え中です。 

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