空き地をほったらかしていたら知らない車を放置されている。売りたいのに売れません

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2018年10月11日

空き地をほったらかしていたら知らない車を放置されている。売りたいのに売れません

地主さんから土地の売却の相談。現地を見に行くと車が置いてある

栃木県外に住む地主さんから土地を売却したいから相談に乗ってもらいたいとお電話を頂きました。登記所で図面を取得してから現地に行ってみると、タイヤがパンクしていて動きそうにない不審な車が!!このままでは売れませんよと地主さんに連絡しました。

地主さんは「放置されているのだから、レッカー移動を頼もう」と言われますが、それは逆に、損害賠償される恐れが あるので我慢してもらいました。

私有地でのトラブルなので警察も当然動いてくれませんが(民事不介入)盗難車だった場合には刑事事件として対応してもらえるので念のため確認してみてもいいかもしれません。

警察が動いてくれない場合には、法的手続きをしないで、自分で放置車両を動かしてしまうことは禁じられています。(自力救済の禁止)

今回のケースでは、 とりあえず、所有者を特定することから始めました。

近所の人へ聞き込みと警告文を放置車両に残します

まずは、所有者を特定しないと話が始まりませんので、近所の人にいつから放置されているか、この車に近づく人はいないかを聞き込みします。今回は運よく、「近所の家の息子さんが放置しているようだ」というお話が聞けたので、その家に行ってみると、「息子がやっていることだからよく分からない」ということだったので、息子さんとお話しする為、警告文を放置車両に残してきました。この時、警告文をガムテープで張り付けたりして跡が残るようにしてしまうと、逆に文句をつけられたりしますので、相手に付け入る隙を与えないようにしましょう。

今回の警告文には「1ヵ月以内にご連絡もなく、この車を撤去されない場合は、こちらで撤去します。また無断駐車車両につき、罰金○万円を支払って頂きます」という文章にしましたが、この罰金の金額は通常の2~3倍がいいそうです。栃木市でいうと1万円~2万円くらいといったところでしょうか。
余り高額な金額を書いてしまうと暴利行為として無効にされてしまいます。例えば、しつこく「罰金10万円払え」と要求したりすると、恐喝罪になってしまうかもしれませんので要注意です。


警告文はあくまで自主的に撤去してもらう為ですので、警告したからといって、1か月後に勝手に処分していいわけではありません。自力救済の禁止というものです。撤去されない場合には法的手続きをしていくことになります。

しばらく待っても連絡が来ないので夜、自宅に行ってみると本人が

何度か警告文を入れながら1ヵ月経っても連絡が来ないので地主さんもだいぶ焦れてきました。「とりあえず押して行って道路に出してしまおう」と言い出したのでストップをかけておきました。


法的手続きに入るにも所有者の特定をしないとならないので、陸運局で調べてみようと思い、最後にもう一度自宅に行ってみると、本人が居ました・・。なんで連絡も寄こさないのか問い詰めても、「そんな警告文見たことない」とお決まりのセリフ。どうやら車を友人と荷物の受け渡しができるように倉庫代わりに使っていたようで、警告文は誰・か・が捨てていたという言い分のようです。

無事所有者本人と会えたことで、「所有権放棄と解体処分の承諾書」をもらい、地主さんの費用負担で撤去完了しました。

後で放置車両の持ち主に請求すると言っていましたが、こういったいい加減な人からお金をもらうのは至難の業ですよ。

今回のケースから分かる通り、ご自分の土地はしっかりと防衛する事が大切です。もし車が入れないようにしてあれば、このような面倒事もなく済んだのです。

日本の法律では自分の敷地であっても、放置車両をやられてしまってからでは遅いのです。

右の写真は今回の土地とは別ですが、先日取引させて頂いた土地にトラロープをして車が進入できないようにしてきました。

40坪ほどの面積ですが、材料費2万円くらいで済みますので、空き地のトラブル防止のために少しのお金をケチらないほうがいいかもしれませんよ。

ついでに正規な方法で放置車両を撤去する方法を紹介

今回は運よく所有者と会って、所有権放棄と動産物処分の承諾を得られたので簡単にいきましたが、所有者を特定できなかったり、所有権放棄してもらえない場合の方法を紹介しておきます。

まずは、陸運局に行って所有者の特定をします。「登録証明取得手続き」というものをするのですが、その時に「私有地放置車両関係位置図」および「私有地放置車両写真」が必要になりますので、現場の写真と車両の特定につながるような写真をいくつか撮っておいて下さい。

所有者が特定できたら、内容証明郵便で警告文を送付します。
内容証明郵便が届かない場合や届いているのに返事もなく、撤去もされない場合は、裁判所に対して、駐車場契約違反や土地所有権の侵害を理由とする損害賠償請求、土地所有権に基づく車の撤去請求などの訴えをすることになります。

所有者が行方不明の場合は、公示送達手続きによって判決など債務名義を取得して、その認められた損害賠償請求金額をもって、放置車両を差押さえ、競売して処分することができます。判決が出た後も所有者が撤去しない場合や損害賠償金を支払わない場合も同様です。また、自動車を撤去する強制執行や所有者のその他の財産を差し押さえて取り立てること等も可能です。



以上の通り、放置された自動車を撤去するのは容易ではありません。日ごろから警告文をよく見える場所に掲示する、駐車場内に防犯カメラを設置する、早めに対応する等駐車場をよく管理されて自動車を長期間放置されないように努めるのが一番です。

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