市民後見人養成講座に参加しました

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2018年10月25日

市民後見人養成講座に参加しました

市民後見人で何?成年後見人と違うの?

身近な人で、認知症や精神障害がある方がいらっしゃる方の中には、成年後見制度の利用を考えていろいろ調べ物をしていて、市民後見人という言葉を目にすることがあるかと思います。あまり聞きなれない言葉だと思いますので、今回は市民後見人について説明します。

市民後見人とは!

市民後見人とは、その名の通り一般市民による成年後見人です。

親族による後見人(親族後見人)でもなく、弁護士や司法書士などの専門職による後見人(専門職後見人)でもない、同じ地域に住む全く関係のない市民による後見人のことです。

もう少し詳しく説明すると、市民後見人とは、市区町村等が実施する養成研修を受講するなどして成年後見人等として必要な知識を得た一般市民の中から家庭裁判所が成年後見人等として選任した方、となります。

市民後見人は、本人と同じ地域で生活している市民であることから、地域の情報についてよく把握しているため、きめ細やかな身上監護を行えるという点で強みがあると言われています。
また、社会貢献やボランティア活動としての位置づけであるため、基本的には報酬付与の審判申立ては行わないことを前提としていることも大きな特徴です。

大都市では市民後見人の利用者も増えてきていますが、栃木県ではまだ0人。その中でも栃木市だけが市民後見人養成講座を実施していて、近い内に市民後見人が活躍できるように積極的に行っています。

今回の講座でも30人弱が参加していて、高齢化が進んでいく地方において、他人事と決めつけず、社会貢献に熱心な方が多いのはすごいことだと感じました。

市民後見人の必要性

高齢者が認知症になる又は、精神疾患により金銭の管理が出来なくなったりして成年後見制度を利用することとなった場合、その親族が申し立てを行うのが一般的です。過去の申し立ての実績からも親族の申し立てが3分の2程度になっています。

しかし、身寄りのない高齢者の場合、後見の必要があっても身近な親族に頼むこともできないため、市区町村長がやむなく成年後見を申し立てる首長申立が行なわれます。

ところが、この首長申立の場合、後見人となる候補者の選定が問題となります。

弁護士や司法書士などの専門職を後見人の候補者として申立てを行うことは可能なのですが、首長申立となるケースではその際に必要となる報酬を十分に支払うことができない場合が多いため、実際には専門職を候補者として申立てを行うことが困難です。こういった場合、社会福祉協議会が成年後見人になることが多いのですが、年間報酬が10万円程度といったこともあるそうです。

このような場合に、報酬が不要であることを前提にしている市民後見人が必要とされることになります。

なお、直近の申立ての実績を見ると、首長申立は年々増加しています。そのため、市民後見人の必要性もより高まってきていると言えそうです。
 
例えば、コンビニ駐車場で寒さに震えながら、立っているのを不安に思った方が相談して、身寄りがなく認知症にもなっている事が分り、首長申し立てで成年後見制度を使い、老人ホームに入れたということもあるそうです。こういった資産のない方は、弁護士や司法書士の先生も後見人になりづらいのです。  

市民後見人の活動状況

平成24年4月に老人福祉法が改正・施行され、各自治体で市民後見の活用を進めていくことが努力目標として定められました。

この改正を受けて、各自治体で市民後見人の活用が推進されており、様々な講座が開かれています。

東京、大阪、埼玉などの大都市では毎年、養成講座がどんどん開かれ数は少ないですが着実に増えていっているようです。とは言え、全体の1%未満です。

栃木県では、概要説明会を行っている市町村は結構ありますが、養成講座を開講しているのは栃木市のみだそうです。

不動産業界においては今後、必須になる制度です。

ブログにも何度か記事を書いている通り、認知症などで財産管理能力が厳しくなってしまうと、不動産を売却したり、貸し出したりすることが出来なくなってしまいます。


今後、高齢化が進むと、40年後には高齢者の3人に1人が認知症になると予想されているそうです。(今現在でも6人の1人が認知症患者だそうです)

成年後見制度を使えば、不動産の処分や活用も可能になりますが、そのなり手が居なくなってしまえば、町中に空き家が放置されてしまう怖い世の中になってしまいます。

この記事を読んでご興味が湧いてきた方は各自治体に問い合わせてみましょう。

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