相続対策=賃貸住宅のイメージ。どういう理屈で節税になるの?
2015年に相続税の基礎控除額が引き下げられたことで、栃木でも結構多くの方が相続税がかかるようになってしまいました。
例えば子供2人が相続人になるような方ですと、2014年までは6000万円まで相続税がかからなかったのが、今は3600万円以上資産があると相続税を負担することとなってしまいました。
自宅や預貯金、株などを足すと結構簡単に3600万円くらいいってしまうので、注意が必要です。
その為、ここ最近は地主さんによるアパート建築が大量発生して、供給過剰の傾向が出てきました。営業マンの中には相続対策をよく理解していないまま、「アパートを建てれば相続対策」「借金をすれば相続対策」と繰り返す人もいる状態。
おかしな営業マンに騙されない為にも、相続対策の理屈を勉強してみましょう。
相続税評価額(土地)を理解しましょう
相続税は資産額に対して税額が決定しますが、まずは、その評価額の出し方を知りましょう。
固定資産税の評価額をイメージなさる方もいらっしゃいますが、それは少し違います。
まず土地については、国税庁が毎年発表する「路線価」を基準にして算出します。
そして、賃貸住宅を建てると「貸家建付け地」と呼ばれる敷地となるので、評価額が結構下がるのです。
詳しくは省きますが、借地権割合と借家権割合に応じて減額されます。人に貸している不動産だから、評価を下げているという形です。
例えば栃木市の住宅街で3000万円の評価額の土地を持っていた場合
3000万円×{1-0.4(借地権割合)×0.3(借家権割合)}=2640万円
360万円も評価が落ちました。東京など借地権割合がもっと高いところですと、より効果的です。
賃貸住宅の建物の評価方法
建物の評価の出し方は簡単です。固定資産税の評価額がそのままとなります。
ただ、賃貸住宅の場合は減額があります。借家権割合30%が減額されますのでこれは大きいです。
さらに言うと、建物の固定資産税評価額は建物価格のおおよそ6割くらいで計算されますので、
賃貸住宅の相続税評価額は建物価格の42%くらいまで評価が下げられます。
例えば、1億円の賃貸住宅を建てた場合には
固定資産税評価額は・・6000万円になるので
6000万円×{1-0.3(借家権割合)}=4200万円に評価額は下がります。
借金はしたくないけど、相続税負担は減らしたいという方なんかは
現金で賃貸住宅を造ることだけでも効果は十分にあります。
評価額は58%も減って、将来の年金代わりにもなるという事で、小規模の貸家を造っているプチ大家さんが最近の流行かもしれません
まとめ
以上のように、アパートを建てれば相続税対策になるというのは、評価額の軽減を最大限に使っていきましょうということです。
借金すれば評価額がその分減るからたくさん借金しましょうといった間違った考え方はダメです。
ただ、アパートを建てるのではなく、一部の土地は売却して、そのお金で一戸建ての賃貸住宅を小規模で造るといったように、その人その人で調度いい対策はありますので、営業マンのいう事を聞くだけでなく、ご自分でも不動産のことを良く知っていきましょう。