入居申込み書は重要な書類。書く人も、見る人も注意が必要です
大家さんが不動産を貸すにあたって、一番のリスクはなんだと思います?
「空室」は確かに怖いですが、一番は「家賃の滞納」だと私は考えています。空き室ならいろいろ方法を考えて入居者を探すというプラス方面の努力ですが、家賃滞納ですと「どうやって出て行ってもらうか」「連帯保証人から回収できるかな」とマイナス面の考えしか出てこず、気が滅入ります。
そこで、今回は賃貸物件の入居審査でどんなところを見ているのかの一部を紹介します。最近は、ほとんどの不動産会社が、賃貸保証会社に審査を丸投げしている状態ですが、自分の管理する物件なのですからしっかりと審査をする習慣をもつことも重要だすよね。
入居申込み書の見るべきところ①空欄は埋めてあるか?
まずは、基本中の基本、空白がないようにしっかりと記入頂いているかどうかです。ご記入いただく内容は主に「住所氏名」「勤務先の情報」「緊急連絡先」「連帯保証人」といったところですので、すべて契約者本人であれば記載できる内容です。また連帯保証人の年齢などが不明であれば、電話して聞けるはずです。そもそも、書けない人は怪しい人です。また、申込書の記入が面倒くさいなどと言う人は、賃料を支払うのも面倒くさいと思う人ですから、賃料の滞納率も高い人です。
このような考えから、入居申込み書に空欄が多い方はちょっと警戒してしまいますよ。
入居申込み書の見るべきところ②転居理由
転居理由は非常に重要です。
例えば、通勤の為と書いてあるのに通勤時間が退縮になっていなかったり、仕事の帰りが遅からとセカンドハウスで借りたいというのに、緊急連絡先が奥さんではなく知人だったりとか・・ご想像通り、浮気の為ですよね。
最初から嘘を吐かずに言ってくれれば、内容によってはご協力もできますが、申込書に偽りの事ばかり並べられますと、信用できなくなってしまうので審査もかなり辛口になります。
というように、転居理由は審査の判断材料として結構重要視しています
入居申込み書の見るべきところ③入居希望時期
「最短」と書く人がいます。いろんな事情があって急いで入居したいという希望は当然あるのですが、その入居時期に合理性がないと怪しいです。
例えば、年末に最短で引っ越したいとかいうと、だいたい滞納で追い出されるケースが多いです。
急に転勤が決まって、業務がすぐに始まるから最短で引っ越したいというのであって、その会社がちゃんとした会社なら最短の理由もわかりますよね。
逆に、希望の時期が2ヶ月先とかの方も注意が必要です。他の物件に浮気してキャンセルとかもあるのですよ。
入居申込み書の見るべきところ④年齢と職業
最近、単身者の孤独死が増えていますので、当然、年齢については一番気を使います。高齢の単身者の場合、身近な人を連帯保証人にたててもらうようにしています。遠い親戚より近くの他人という訳ですね。
逆に若い人 も注意が必要です。たまり場になってしまうと、夜な夜な宴会を開いたりしてアパートからだけでなく近隣の方からクレームが入ることもあり得ます。当然、他の入居者が退去してしまうリスクが高まりますので、この場合もすぐに対処してくれるような連帯保証人をつけてもらいたいですね。
入居申込み書の見るべきところ⑤緊急連絡先の情報
先ほども書きましたが、高齢者や若者などでは、将来何かがあったときに協力してくれる人を緊急連絡先にしてもらいます。また、外国人の緊急連絡先では、日本人の緊急連絡先を希望しています。実は、世の中には、この緊急連絡先を請け負う会社というのがあり、不当な外国人は、そこに依頼しているケースもよくあり、緊急連絡先に電話をすると全然違ったり、全く理解していなかったりする場合もありますので注意が必要です。間柄などを確認し、契約前には「ごあいさつ」と称して、一度、実際に連絡をすることをお勧めします。そこで「そんなの知らない」とか、間柄に間違いがあったら契約をしないのもリスク回避です。
入居申込み書の見るべきところ⑥連帯保証人の情報
これは賃借人と同じように、反社会勢力との関わりのチェックだとかのをデーターベースでチェックします。これは有料のデーターベースなので一般的な人には閲覧が難しいかもしれませんが、官報に掲載された破産情報や過去の新聞などに記事として取りあげられた事件の当事者の情報が閲覧できるようになっています。
ネットで氏名と住所、本籍地で検索すると、ある程度本人の確定ができますので、これらの情報を基に判断することもあります。
入居申込み書で見るべきところ⑦添付書類の運転免許証
下の画像は運転免許証の参考図です。チェックする箇所としては主に3つです。
一つ目は、頭の2ケタの数字です。この免許証で「25」になっている場所ですね。この数字は最初に免許証を取得した都道府県を表しています。「25」は福島県になります。ちなみに栃木県は「41」になります。
二つ目は、その次の2ケタの数字です。下の図でいうと「19」になっている場所です。この数字は最初に免許証を取得した西暦の下2桁を表しています。「19」であれば2019年に取得したということですね。「98」ですと1998年に取得したという事になります。ちなみに、免許証の取り消しを受けた場合は再取得した年を表示します
三つ目は、12ケタ目(最後のケタ)の数字です。これは結構有名なので知っている方も多いですが、紛失や盗難にあったりして、免許証を再発行した回数を表しています。当然、この回数が多いという事は要注意ですね。
さて、なぜ最初の4ケタが重要かと言いますと、これによってある程度その方の出身地を推測できるからです。例えば、今は栃木にいたとしても、この番号から沖縄が出身地だと考えれば、「沖縄 氏名」でデータベースなどを検索すると過去の大きな犯罪を確認するきっかけに出来るからです。
最後に、確認するのが運転免許証裏面の転居履歴です。話している内容と転居履歴の整合性が無い場合や、申込み書の住所と免許証の住所が違うなど不明な点がある場合には本人に聞いてみて、怪しければ、水道光熱費の領収書を確認してみることも必要かも知れません